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みなさんは運ゲーは好きでしょうか。

私は基本的には好きではありませんが、嫌いでもありません。

勝てるはずの試合を運の悪さで落とすフラストレーションは筆舌しがたいものですが、それでもなお面白いと感じれるものがあったりします。

と言うわけで、そのあたりについて今後作りたいものの方向性もからめて書いていきます。

乱数が使われるタイミング

思いつく限り、どう言うときに乱数が出てくるか考えてみました。

 

まずは、ダメージのブレです。

多くのダメージ数値が画面に表示されるようなゲームでは、±10%だとかのダメージの揺れがあります。

毎回同じ行動で同じダメージが画面に出てくると見る気がなくなるので、そう言う意味での必要性はあります。

特に連続攻撃系スキルだと顕著で、同じ数字が4個や6個画面にばーっと並ぶのは、あんまり見栄えがよくありません。

しかし、この微妙なダメージで敵を倒すまでに必要な攻撃回数がブレるのも、シビアなバランスのゲームでは制作側視点でのネックになり、プレイヤー視点でのストレッサーになります。

もう同じダメージが続くことは気にせず、揺れ無しで良いんじゃないかと個人的には思っています。

次に、命中率です。

これに関しては本当に好き嫌いが別れます。

攻撃を外して倒せるはずの敵を倒すのに失敗し、それが原因で対戦が長引いたり、最悪死ぬのは中々にあったまる事象です。

「はずす」だと極端なので「5割減ぐらいのカス当たりにする」なんて折衷案も考えられますが、結局成否如何で勝敗が分かれる状況が出てくることは防げないので、決定的な対策にはなりません。

長いスパンで見れば総ヒット数は確率通りに収束するはずですが、一回のボス戦を突破する事に注力しがちなゲーム構造と根本的に相性が良くないです。

逆に自分が相手の攻撃を一定確率で回避する分にはストレスは生じないから構わないとの意見もありますが、個人的には回避が成功したかどうかで勝敗がわかれる状況が出てくる以上、「回避が発動しなさ過ぎて死んだ」みたいな心情は絶対に生まれるので、あまり変わらないと思っています。

と言うわけで、自分の中では命中率は完全廃止して全命中にするのがベストと考えています。

命中率で言うと、状態異常について成功率が設定されているものもあります。

これは技自体の命中率同様に全廃したいと自分でも思っていますが、行動不能系のような強過ぎる状態異常をボス相手にも有効にしにくい問題はあります。

そのあたりは、そもそも強過ぎる異常を作らないだとか、回数制限をかけるとかの方法での解消を目指しています。

あとは、敵の行動パターンなんかもです。

これも本質的に命中率やダメージのブレなんかと同じ問題を孕んでいますが、相手が何をやってくるのか完全にわかっていると、戦闘中の行動が固定化され過ぎてしまうので、無くしにくい所があります。

その辺を固定化してパズルにするのも個人的には大好きなので、自分ではそう言う方向を目指していくつもりです。

捨てるしかないのAP制はそう言う意味で自分の嗜好に合った仕組みです。

行動パターンと言えば、敵の攻撃対象もそうです。
単に弱ってる所を殴る仕組みだと、ダメージが集中し過ぎて戦闘不能が過剰に増えてしまいます。

逆に弱ってない所を殴らせるのも、なんだか接待しているみたいな感じになり、戦闘不能が起こらな過ぎるようになります。

敵ごとにクセを作る手もありますが、偏りの回避と言う意味ではなんとも言えない所です。

行動によってヘイト値が貯まり狙いが決まると言うのもよく採用される手で、プレイヤー側にターゲットの制御を委ねられてよさそうですが、あんまり戦闘中に用いる値を増やすのも個人的に好きではないです。

(スキルに「ピエロの花火攻撃は派手なのでヘイトが貯まる」「暗殺者の技は地味なのでヘイトが貯まりにくい」みたいな個性をつけられるのはいいなあと思ってます)

そんなわけでランダムターゲットは大変都合がいいのですが、「タゲが偏り過ぎたせいで死んだ」みたいな事故が多々あるので、できればその辺を廃したいなあとも思うのです。

もういっそ「最後に攻撃行動をしたやつが狙われる」ぐらいにシンプルな仕組みで良い気もしています。

プレイヤー側にも「最後に攻撃行動をしたやつを殴るとダメージが1.1倍になる」みたいな補正を付けておけば、フレーバー的にきれいになりますし。

戦闘中のランダム要素はだいたい書きましたが、そもそも誰が戦闘相手になるかもザコ相手では多々ランダムになります。

相手がわかっている場合は常に一番相性がいい装備やスキルの組み合わせにすればそれでOKですが、複数のパターンが考えられる場合は、「丸さ」を考えたり、「特定の相手は無理と割り切って逃走する」みたいな事を考える場合も出てきます。

そう言う意味でこれは別にそのままでも良いんじゃないかと思っています。

味方全員と敵全員が交互に行動するゲームの場合、「どちらのグループが先行か」「バックアタック」なんかもランダムで決まる場合があります。

運が悪いと理不尽に殴られる事になりますが、個人的には嫌いではありません。

本来攻撃に専念するキャラクターが初手で異常を食らうだとか、回復しないとすぐ死にそうな状況になるだとかの状況が生じ、その場で戦い方を考え直す事が必要になり、それが面白いからです。

戦闘中突如そうなると今までの行動が無駄になって理不尽に感じますが、最初からそうなら納得がいきます。

最近ドハマリしているメギド72や、前からやってるカードゲーム類のように、「行動」の選択肢それ自体がランダムに出てくるものもあります。

普通のRPGだと選択肢が「こうげき」「スキル1」「スキル2」「ためる」と出てくる所が、「こうげき」「こうげき」「スキル2」「スキル2」の時があったり、運が悪いと「ためる」「ためる」「ためる」「ためる」なんかが出てきて何もできなかったりします。

しかしこれらは、ランダムが最初にあり、そこから何を選ぶかはプレイヤーに委ねられています。

これは命中率(先にプレイヤーが行動を選び、その後成否がランダムに決まる)と比べると順番が逆になっています。

この「最終的な決定権がプレイヤーにあるかどうか」と言うのは重要で、基本的に最後にプレイヤーが物事を決められる方がストレスは少なく、面白いものとなりやすいようです。

うそまこ.jpg

カードゲームにおいて、相手プレイヤーに選択肢があるカードは、基本的に「使いにくい」「弱い」と評価されがちです。

多くの場合、最も相手に有利な選択をされてしまい、あまり効果的に機能してくれないからです。

しかし、「嘘か真か」と言うカードに限っては、相手がカードを2つの束に分けた「後に」、そのどちらかを「自分で選んで」手札に加える、つまりは「最終的な決定権が自分にある」為、例外的な強いカードと評価されていました。

(単に手札を増やしながら墓地も増やせる事そのものが元から強かったと言うのもありますが)

今まで挙げてきた例のうち、「ランダムな敵グループが出てくる」事については好意的な感想を述べているのも、敵はランダムでもそれを倒す為の行動は自分で選ぶ、つまり「自分に選択権があるから」と言うのが大きいと思っています。

あるいは攻撃を外した場合でも、そこでなにかすれば(MP追加消費とか)命中扱いに変えられれば、また評価は変わってくるかも知れません。

不確定要素を作れば、その分岐の数だけ未来の数が増えてきます。

これはゲームの奥行きを広げる上で、最も手間がかからない方法の一つです。

時間さえあるならば、それを乱数に頼らず自分の手で用意していきたいなあと思います。

現実的にそれが可能かはわかりませんが。

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