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※ネタバレまみれです

今現在、「捨てるしかない」「廻段めぐるぐる」「すごい南」の三作を公開しておりますが、各々その時の自分に出来る限りのものを詰め込んだ作品であり、完成時には、各々概ね満足しておりました。

しかし、後から経験を積んだり、改めて分析していくにつれ、至らなかった点が見えてくるものです。

本記事には、そう言った後から見えてきた問題点を纏めておきますので、宜しければ反面教師としてお役立てください。

捨てるしかない

制作した順番では、「捨てるしかない」は「すごい南」よりも後の作品になるので、「すごい南」で至らなかった点を多く改善してあります。

そう言った事情もあり、今の所「捨てるしかない」の出来については、個人的には大満足だと言えます。

しかし、実際にプレイしてくださった方々の意見を踏まえると、色々と怪しい部分も見えてまいります。

・バグ

今では概ね修正し終えていますが、結構な数のバグが出ています。

通しプレイは何度か行っているのですが、敵を倒した順や状況によって発生するものや、特定のアイテムを特定のタイミングで手に入れた場合しか発生しないバグについて、見つけきる事が出来ませんでした。

今後はちゃんとテスト仕様書のようなものを用意し、よりパターンを網羅するような形のテストを行いたいと思います。

・AP消費型攻撃スキルのオーバーパワー

このゲームのキモはAPであり、他のゲームとの差別化点がAPを「消費しない」スキルでした。

と言っても、APを消費するスキルを完全に無くしはせず、選択肢の一つとして用意しておりました。

しかし、特にヂス・トリブトが、明らかに高威力過ぎました。

また、これをドロップするヘンダブルトが、ご丁寧にもAP回復アイテムまでくれるのも宜しく無かったです。

もういくらか調整を念入りに行っていればと、今更ながら思います。

・味方としての竜騎士がそこまで強くない

ディスカードとフォルジェートは、4ルート最強の敵である以上、味方としても雑に強いように設計したいと考えていました。

テストプレイした際には、無拍神経で剣技を乱射できてAP回復量が高い彼らは、充分強く感じました。

ただ、死闘で重宝する永世臓腑や、明らかに壊れている戦闘骨格と比べると、見劣りしがちでした。

これについては承知していたので、その分永世臓腑と戦闘骨格の持ち主のAP回復量を低くする事での差別化を図りました。

が、後から追加した要素である過年の御身(初期AP増加)によって、この差があまり機能しなくなりました。

もう少し、竜騎士の攻撃力と相対的なAP回復量を高めたり、戦闘骨格所持者の平時の攻撃力を下げたりした方が良かったかと考えています。

・回復魔法が弱過ぎる

AP無しに使用できるが、回数制限のある回復アイテム。

回数制限は無いが、使用に際しAPを消費する回復魔法。

以上のどちらかを選ばせるような感じにするつもりだったのですが、AP消費のデメリットが著しいので、回復魔法はほとんど使われませんでした。

かと言ってAP消費量を引き下げるにしても、やり過ぎるとアイテムが死んでしまいます。

この辺りの調整を、もっとうまく出来れば良かったと思います。

消費の大小以外に、威力(アイテムなら5割、魔法なら10割回復、等)や範囲(魔法は全体、アイテムは単体)のような差別化も改めて考えれば出来たように思います。

廻段めぐるぐる

FF内のフリーゲーム製作者様を見ると、お題を元にゲームを制作する系の規格に参加していらっしゃる方が多かったので、試しに自分も「カイダン祭」用に一本作ってみようとやってみたものになります。

期限内に軽く仕上げるつもりだったので、満足かと言えばまあまあ満足、ぐらいの出来になります。

・難度が高過ぎる

このゲームの着想は、すごい南の滅裂空間と言うダンジョンになります。

後述しますが、このダンジョンが兎に角ややこしいと不評だったので、めぐるぐるもやたらにとっつきにくいものとなっています。

すごい南

公開順では捨てるしかないより後ですが、制作を始めたのはそれより6年近く前になります。

そう言う訳で、すごい南製作中に得た数々の教訓が捨てるしかないには生かされており、逆に言えばすごい南にはその分多くの反省点が残っております。

・バグ

初回版では、かなり致命的なバグがありました。

これは二周目以降の追加要素が部分的に一周目でも見られてしまうと言うもので、ストーリー的な矛盾もあり、今後の展開のネタバレもあり、ゲームの雰囲気を大きく削いでしまうものでした。

二周目のテストプレイは行ったのですが、二周目追加後の一周目の再テストプレイをちゃんと行えていなかった事が原因です。

最終的な本当の意味での通しプレイは、絶対に怠ってはならないと肝に銘じます。

・とっつきにくい戦闘

DLページにもありますが、このゲームを作り始める前に真・女神転生IIIにどハマりしており、当時の自分は理不尽に死にまくる高難易度ゲーに浮かされていました。

(今でもあのバンバン死ぬバランスは大好きですが、作る上ではもう少しストレスを軽減する形の方が良い、と考え直しております。その辺を踏まえて、マップ無しでボスとだけ戦えるよう作ったのが捨てるしかないです)

まず最初に「装備の組み合わせで戦う難易度高めの戦闘のゲームを作りたい」と言うのがあり、夜明けライクな旅路と言う構成は、「三属性に合わせた世界観」と言う要件に合わせ、後から練ったものでした。

(さらに言えば、最初は3時間ぐらいで終わる短編を想定していました)

そう言う訳で、多くの「夜明けライク」を求めてダウンロードしてくださった方々からすれば、すごい南の戦闘バランスは意味不明と言う他ないものになってしまいました。

最初は「たぶんダウンロードしてくれるのは既に捨てるしかないをプレイした人だろうから、ある程度の難度は承知の上でやってくれるだろう」と考えていましたが、実際は「夜明けライクRPG」に惹かれてプレイしてくださる方が想像よりもずっと多く、ダウンロード数は捨てるしかないよりも大きい値になりました。

確かに、不思議な世界を冒険していく構成自体は「夜明けライク」なので嘘偽りは無いのですが、戦闘に関しては明らかにプレイヤーの求めていたものとは乖離しており、「我慢してプレイしたけど途中で力尽きた」と言うような方が何人もいらっしゃいました。

これについては本当に申し訳なく思い、戦闘をスムーズに進めるようにする仕組みを後から色々と追加してみたのですが、行き届いているのかまだ良くわかりません。

・砂時計、滅裂空間

戦闘難易度についての不満はある程度予想していたのですが、それ以上に酷評を受けたのはダンジョン「砂時計」「滅裂空間」についてでした。

制作側としては、異世界としての情緒を感じて頂く為に、エッシャー氏の絵をモチーフとした騙し絵ダンジョンを作れば面白いだろう、と言うようなつもりでした。

最初にプレイして頂いた方からは「何処を進むか分かりにくかったけど、いい雰囲気だった」と言うような感想を頂けたので、これで問題ないだろうと思ってエンカウント率だけ下げて公開する事にしました。

しかし蓋を開けてみると、このダンジョンに憎しみに近い嫌悪を抱くプレイヤーが何人もいらっしゃいました。

「何処を歩けるか分かりにくい」事がこちらの想定以上の苦痛だった事、進んでいるのか進んでないのかすらも分かりにくい事、シチュエーションの関係でメンバーが少なく、その上倒せない敵も現れるので今までと違う戦い方を強いられる事、などと言った要因が合わさった事で、苦手な方には甚大なストレスを与えるポイントになってしまいました。

特に、終盤の石を落として追い掛ける箇所については、何処に進めばいいのかわからないままに追う必要に迫られ、より辛い部分になってしまったようでした。

もはや単にエンカウント率を落とすだけでの問題解消は難しいとの意見を頂き、2つのダンジョンにはかなり大きな修正を加える事になりました。

そんな2つのダンジョンでしたが、自分で何度か通しプレイしている際には、その問題について全く気づきませんでした。

製作者として十分な知識量があった事、ある程度迷った想定でエンカウント率を見積もれば問題ないだろうと考えた事(実際は何処に進めばいいかすら不明瞭なので、「ある程度迷う」どころではなかった)、その他色々な要因が考えられますが、いずれにせよ第三者としての目線が必要だったと考えます。

その為にも、今後は複数の方にデバッグをお願いする事で、今回のような想定を越えた難所が生じないようにしたいと思います。

どうやってデバッグしてくれる方を集めればいいのかまだ良くわかりませんが、今後そう言った時にはTwitter上等で募集を行うと思いますので、宜しければご協力お願い致します。

・ロットンスターのオーバーパワー

ロットンスターや象徴固有のスキル各種は、元々存在しなかったスキルです。

公開前にプレイして頂いた際、「中盤以降戦闘で選ぶスキルが同じで単調だ」との指摘を受けたので、より豊富な選択肢を提供できるよう、後から装備固有スキルを大量に追加致しました。

ロットンスターもその中の一つで、元はゼニスアナイアレートと言う名前の、昔製作中だった別のゲームのスキルをモチーフにしたものでした。

現在そのゲームの制作を中断しているので、代わりに既に完成している捨てるしかないの隠しボスのスキルをモチーフとしたロットンスターに差し替える事になりました。

(腐った星、腥い星、星の死、せいし、と言うような感じです)

と、言うような事情があって、ロットンスター及び他の追加スキルについては調整が不十分な所があり、中には「強力な分には選択肢が増えていいだろう」と考え、動作面でのバグがないかだけチェックして済ませたものもあります。

ロットンスターについても、尋常でない要求APがあれば、シュラフテンと比べてコストパフォーマンスも悪いし、属性スキルとの併用も難しいし問題ないだろうと考えておりました。

最強の雑魚が落とすアイテムの専用スキルである手前、あまり弱くしたくなかったと言うのもあります。

が、改めて考えれば当然の事ではありましたが、装備にさえ気を使えば無条件でのカンストダメージは、充分に悪用の余地があるものでした。

正攻法でクリアしてくださった方の為にも、追加要素の調整も念入りにやるべきだったと後悔しております。

色々と反省点を書いてきましたが、自分としてはそれぞれ満足できるものが出来上がったと考えています。

今からでも改善出来る点が散見されますが、出来ればそれは次の何かを作る際に反映し、より良いものを作る事に活かしたいと考えております。

と言っても、例えば滅裂空間のようなあからさまな苦痛の種については極力解消したいので、もし何かまだまだ直さなければならないような場所があれば、どんどん指摘して頂きたいと思います。

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