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私が公開しているゲームでは、敵のHPが現在どれくらい残っているのか、数値として表示する仕組みを採用しております。

しかし、ゲームによっては表示がないものや、バーによって最大値に対する割合としてのみ表示しているものがあります。

また、HP以外の弱点や能力値についても、ゲームによって公開しているかどうかがまちまちです。

本記事では、そう言った「公開情報」について、RPGの戦闘に絞って書いて行こうと思います。

HPを公開する意義、公開しない意義、公開形態

ゲームによって、公開されているかいないかが分かれてくる数値として代表的なものは、「HP」と「属性や異常の有利不利」の二つでしょう。

まずは、「HP」の方から纏めていこうかと思います。

そもそもHPはヒットポイントの略称、つまりは「致命傷が命中(Hit)し、戦闘不能になるまでの数値」の意です。

と言っても今では「体力や生命力そのもの、無くなると死や戦闘不能に陥る」と言った、どちらかと言えばHealth PointやLife Pointと言い換えた方が適切な使い方が一般的でしょうか。

いずれにせよ、HPは「相手を負かすまで殴り合う」と言うシステムを成立させる上で極めて重要な存在であり、少なくとも味方のHPについては、常に表示されているものがほとんどです。

RPGでないアクションゲームにおいても、数値式でなくともメータや残り数と言った形で表示されており、リアリティの高いものでは出血やキャラクターの息も絶え絶えなモーションとして表現されています。

ですが、敵のHPに関しては、表示されているものとされていないものが、今でもそれぞれ存在しています。

HPを公開しないメリットとしては、まずは単に表示する情報量を抑えられる事があります。

画面に何体も並ぶ敵のHPを全部表示しようとすると、それなりにスペースを食ってしまいますし、見栄えの面でも邪魔くさく感じてしまうかも知れませんので、必要が無いならやらないにこしたことはありません。
戦闘はあくまで雰囲気付け、ゲームオーバーになろうと思ってわざと死なない限り死ねないゲームであれば、敢えて情報を公開する必要も無いでしょう。

続いて、プレイヤーにこれから起こる事を計算させ過ぎてしまう事も問題になり得ます。

いつ倒せるのか判然としない相手に現状持ちうる攻撃手段を祈りながらぶつけていき、ある時ついに致命傷を与え勝利する、と言うような感慨は、「あと3ターン殴れば倒せる」と最初からわかっている場合には生じにくくなります。

プレイヤーは「勝つべくして勝った」と思うようになるので、「頑張っていたら奇跡的に最後の一撃が通った」とは欠片たりとも考えない事でしょう。

他にも、HPが一定以下になった際に行動パターン変化や弱ったモーションへの以降が行われる敵の場合、「追い詰めた!あと少しで勝利だ!」と言うような高揚感をプレイヤーに与える事でしょう。

演出の面では、見栄えの面や感慨の面以外にも色々と意義があったりします。

例えば、「倒せない敵」の違和感を無くす手法の一環としても考えられます。ゲームのストーリー上、どうあっても倒せない敵を出す必要がある場合がありますが、その場合に「HP:無限」なんて表示する訳にも行きませんし、ならばいっそ全ての敵のHPを非公開にしてしまおう、としてしまうのも一つの手になります。

と言うように非公開のメリットを書いてきましたが、もちろん公開する意義もたくさんあり、自分もこれを重視して公開する事にしました。

まずは、戦闘中の行動を練る上で、どれだけ攻めれば決着するのかわかっていると、大変便利だと言う点があります。

何ターン攻撃すれば勝てるのかがわかっていれば、何回回復アイテムや回復魔法を使えばいいのかも計算できるので、アイテムにいくら金を使えばいいのか、MPはどれくらい温存すればいいのか、事前に考える事が出来ます。

敵の攻撃力や防御力については実際に戦う中で概算する事が出来ますが、HPについては一回以上倒さない限り確認しようがない情報なので、他のステータスと比べても特にプレイヤーが受ける恩恵が大きいものです。

何にせよ、戦闘中の行動を練らせるゲームの場合、HPは見えていて然るべき情報だと思います。

また、プレイヤーが暗記・暗算する情報を減らす意味もあります。

例えば、何らかの方法(ステータス確認用スキルでも、攻略本でも)でプレイヤーが敵の最大HPを知ったとしましょう。

その場合、プレイヤーは相手の「現在HP」を知る為、自分が与えたダメージをメモ帳なり電卓なりに打ち込む事になります。

それははっきり言ってあまり楽しい行為ではないので、最初からHPが見えるようにしておく方がずっと気持ち良くゲームを楽しんで貰えます。

あとは、フレーバー(雰囲気付け)の面で、HPが見えない事が「変だ」と言うのもあります。

敵と戦うさなか、斬りつけられれば血が流れ余裕が無くなったりしますので、どれだけダメージを与えたか、そのダメージがどの程度の割合なのかは、目で見て分かる情報であるはずです。

凝ったゲームだとグラフィック上の外傷等の数値以外の情報としてそれを表示している場合もありますが、そうでなくとも相手のHPは「わかる方が自然であり、わからないのは直感的でなくおかしい」と考えられます。

公開形態としては、数値表示とバーによる割合表示が考えられます。

数値表示は単純に分かりやすいのでプレイヤーには親切ですが、画面がごちゃごちゃしがちでもあります。

バーによる表示は画面的な見栄えは良いですが、詳細な値をプレイヤーがみたいと思った場合、面倒な計算を強いてしまうので、不用な苦痛を与えるリスクがある事に注意するべきだと思います。

数値表示の場合、いつでも確認できる場合よりは、敵ステータス確認用スキルの作用で見られる場合が多いでしょうか。

しかしこれらのスキルは初回以外はあまり意味が無く、二度目以降の戦いの為にプレイヤーにメモ作業を強要してしまうストレスメイカーでもあり、スキルの枠潰しやMPとターンの無駄と見做されがちなものでもあります。

何かしら他のメリットの付与(アイテムの発見等)をする手もありますが、慎重に採用するべきギミックだと思います。

HP以外の情報の公開意義

敵のステータスとして、プレイヤーが知りたいと思う情報はHP以外にいくらでもあります。

その中でも、属性相性と状態異常の有効度合いは特に需要のあるものでしょう。

これらが見えない場合、どうやって確認するかと言えば、スキルを一個一個撃っては調べての作業であり、言うまでもなく退屈です。

それならば最初から見えている方がずっと良いでしょう。

とは言っても、この情報はモンスターの見た目やNPCとの会話と言ったリドル要素によってもヒントを出せるものであり、上記の単純作業もうっかりテキストを見落とした人に向けた救済措置になり得ます。

戦闘それ自体よりもそこに挑む過程を重視する場合には、無理に相性を表示しなくても良いのかも知れません。

敵の攻撃力や防御力、敏捷性等のステータスも、見られると便利です。

ダメージ計算式に当てはめ、どれだけ防御力があれば耐えられるのかを計算できる事はとても役立ちます。

しかし、もし敵が通常のダメージ計算式よりも威力が上がるような攻撃スキル(例えば、攻撃力x2のダメージを与える剣技等)を使う場合、攻撃力そのものの数値を知ったとしても、スキル自体を実際に食らってみない事には「実際に受けるダメージ」がどれくらいなのか全く分かってこない場合があります。

そう言う場合、攻撃力はあってもなくても変わらない情報になります。

攻撃力だけでは参考にならないなら、スキルやその使用条件も明かしてしまったらどうでしょうか。

プレイヤーは更に詳細な戦術を練る事が出来、戦闘はまさしくパズルのような存在になるでしょう。

それはそれで面白いものになり得ますが、行き過ぎるとプレイヤーは実際に戦闘を行わず机上論で何もかも計算するようになりますので、ある程度は「実際にやって確かめる箇所」を残すべきではあります。

わからない、と言うのはそれだけで面白い事であります。

ストーリーの先がわからないから、プレイヤーは強敵を倒して全ての行末を確かめようとします。

ネタバレに対し強い嫌悪感を抱く人が大勢いるのも、未知を楽しんでいるからです。

しかし、「未知への挑戦」が「既知のルーチンワーク」になってしまうと、それも本末転倒です。

丁度良い、ほどほどに未知でほどほどにわかりにく過ぎない挑戦をうまいこと提供出来るよう、これからも頑張っていきたいなあと思います。

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