ぼとるつぼ
君の全全全知からエムラ
例によってコマンド戦闘RPGを想定した内容ですが、みなさんは攻撃力が高いキャラクターは好きですか?
私は大好きです。
ポケモンではケッキングやガブリアス、そしてポリゴンZ(「こうげき」じゃなくて「とくこう」ですが)が大好きで、MtGでは引き裂かれし永劫、エムラクールが一番好きです。
攻撃力が高ければ、敵が一撃で死んでくれたり、そうでなくても手早くゲームを終わらせられます。
しかし、攻撃力が何の役にも立たない、あるいはあってもなくても変わらない状況と言うのが多々あります。
攻撃力大好きな自分としては、攻撃力がいらないゲームにはあんまりしたくないので、どう言う状況でそれが起こりうるのかまとめてみたいと思います。
ちなみに、この記事における「攻撃力」は、名前やフレーバーに限らず「相手により大きいダメージを与える為の力」とします。
名前が「破壊力」だとか「魔法攻撃力」であってもダメージに関与するなら攻撃力扱いしますし、「このスキルの威力は敏捷性が高いほど上がる」みたいなスキルを使う状況下では、敏捷性も攻撃力扱いとします。
そもそも攻撃力が高いメリットって何よ
攻撃力の必要性を考える上で、それが高いとどう得するのかを並べてみましょう。
・相手が早く死ぬ
戦闘が早く終われば、死のリスクから早く抜け出せますし、時短にもなります。
・反撃の機会を奪う
相手を行動する前に撃破すれば、HPを減らされる機会を無くせるので、実質回復魔法みたいになります。
攻撃は最大の防御ってやつです。
・ダメージが通る
ゲームのダメージ計算式によっては、攻撃力が低過ぎると1ダメージも通らなくなる、あるいは1ダメージしか通らなくなる場合があります。
こう言うケースだと、攻撃力を一定以上にあげないと勝利が実質不可能になります。
これらを踏まえ、攻撃力が意味を成さないケースを想定してみます。
攻撃力が高くても意味がない状況
上の三件にそれぞれ対応します。
・相手が死ぬまでのターンにあんまり影響しない。
例えば相手のHPが20の場合、ダメージが6から7に増えると、必要な攻撃回数が1回減るので、大いに意義があります。
しかし、これが「7→9」だと、2点も増えた割にはターン数が全く変わっていません。
「10→19」も、「20→50兆」も同様に無意味です。
中途半端な攻撃力アップはこのような感じで端数に収まってしまい、意味をなさながちです。
・反撃の機会を奪う意味がない
例えば攻撃力を上げた事で、10ターン掛かって倒せた敵を5ターンで倒せるようになったとしましょう。
結構大きな差に見えますが、それでも結局5ターンは攻撃を食らい続ける事になります。
その間は、なんらかの回復手段で凌ぐものとしましょう。
ここで問題になるのは、「5ターン耐えられるなら10ターン耐える事もできるのではないか」と言う事です。
アイテムやMPの上限がある、あるいは敵が徐々に強くなる特性を持っている場合は「5ターン耐えられても10ターンは無理」となり得るかも知れません。
が、そうでもなければアイテムをちょっと多めに買うほうが手っ取り早いですし、攻撃力上昇の代わりに防御力上昇に手を割けば、さらに安定した勝利が見込めます。
強力な攻撃をする時に大量にMPを要求するゲームなんかだと、なおさらです。
・ダメージが通っちゃう
閾値以上の攻撃力さえ確保できれば、他は別ステータスに割り振った方が良い事も多いです。
そう言う効率性を追求したステ配分を要求するのも良いですが、選択肢が狭く感じられます。
カードゲームをやっていると、「攻撃手段がほぼ無く、無数の妨害で相手を支配してから少数のフィニッシャーでとどめを刺す」みたいな構成のデッキとあたる事があります。
場合によっては攻撃を一切行わず、ダメージ以外の勝利条件で勝つようなものまで存在します。
それらは攻撃力不要論の極地にあるものと言えるかも知れません。
それでもなお攻撃力が無いとだめな状況
せっかく攻撃力のステータスを用意するのであれば、それを上げる意味はぜひとも欲しいです。
なので、攻撃力の必要性を高めてしまいましょう。
・攻撃力上昇値は意味があるよう計算して設定
相手が死ぬまでのターンが目に見えて縮まないと、プレイヤー的にありがたみがありません。
何回殴れば死ぬかを計算し、ちょうど良い感じのスキルやステータスを設定しましょう。
カードゲームで言う所の「クロック」や、ポケモンなんかの「確○調整」みたいなのを製作者側から構築する感じです。
・反撃の機会を奪わないと死ぬ
回復をする暇がないぐらい相手側の攻撃力が高ければ、先にぶっ倒すしかありません。
もっとも最初のターンからそうだと攻撃する暇すらなくなるので、徐々に敵が強くなるだとか、HPが減ると凶暴化するみたいな仕組みもあったほうが無難です。
逆に味方を弱体化させる、例えばMPやアイテムの上限を設けて早く勝たないとジリ貧になるようにするのも手です。
と言っても終盤になるほど盛り下がるのも微妙なので、基本的には相手側が強くなる方向で設計した方が楽しいと思っています。
・やっぱダメージ通らなくしないと
防御力の話もそうでしたが、HPの自動回復なんかも似たような働きをしてくれます。
前提条件で「状況次第では敏捷性も攻撃力と見做す」と書きましたが、逆に攻撃力にダメージ以外の意味をもたせるのも手です。
攻撃力が高いほうが攻撃の追加効果(異常付与とか)が当たりやすくなるとか、攻撃力=筋力にして装備重量上限に関わらせるとか、そんな感じです。
また、攻撃力は敵のランダム性が高まるほど重要性を増します。
もし敵側のターゲット/スキル選択、異常命中の偏りが生じると「事故死」が生じる場合は、ターンの短縮が事故率を大きく減じてくれるようになります。
色々書いてきましたが、攻撃力には上記以外にも2点大きな魅力があります。
ひとつめは、「気持ち良い」ことです。
圧倒的な火力で敵を消し飛ばす事は気持ち良いですし、今まで手こずってた敵を成長した事でワンパンできるようになるのも爽快です。
ふたつめは、「楽」です。
長々と戦い続けるよりは、高い攻撃力でちゃっちゃと勝つ方がストレスになりません。
雑魚戦にかけるターンを1ターン短縮できれば、その影響は全ての戦いに及び、得られる快適さは計り知れません。
もしゲームバランスが良くて攻撃・防御・妨害全てが均等に強いゲームが存在した場合、攻撃力を上げる事が正解になると言うのが持論です。
防御や妨害では戦術的優位こそ得られても、上記の「気持ちよさ」「楽さ」は手に入らないからです。
この辺踏まえて、攻撃力を気持ちよく伸ばしつつ、他のステータスもほどほどに意味がある感じのものを作っていきたいです。